渡部耕平さんは、**筋力が徐々に低下する難病「ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー」**の患者でありながら、患者会「ウルリッヒの会」の代表を務め、幅広い活動を行っている。
彼は高校時代から患者会の運営に関わり、現在は東京大学教養学部に在籍し、医学部への進学を予定している。自身の病気を研究し、治療法を見つけることを目標にしているだけでなく、障碍者がより生きやすい社会を作るための活動にも力を入れている。
エレベーターの鏡——バリアフリーのための設計
渡部さんが電動車いすでエレベーターに乗るとき、前向きに入るが、降りる際には後ろ向きになる。そのときに活用するのがエレベーター内の鏡だ。
一般的には「身だしなみチェック用」と思われがちな鏡だが、実は車いすユーザーが後方を確認しながら安全に降りるためのバリアフリー設計として設置されている。
エレベーターの中は狭く、車いすを回転させるスペースがないことが多いため、鏡を使って後方を確認しながら降りるという工夫がされている。こうした設備があることで、車いすユーザーがより安全に移動できる環境が整っているのだ。
難病患者としての挑戦——「待つ」のではなく「動く」
渡部さんの行動力は、単に「病気の治療を待つ」のではなく、自ら研究し、社会を変えていくという姿勢に表れている。
彼は高校時代から患者会の代表を務め、医学の知識を深めるために東京大学へ進学。自身の病気を治すことだけでなく、障碍者の立場だからこそできることを探し、社会に貢献するという強い意志を持っている。
まとめ——バリアフリーと社会の変革
渡部耕平さんの活動は、難病患者が社会の中で積極的に行動し、未来を切り開く姿を示している。
エレベーターの鏡のようなバリアフリー設計は、障碍者の移動を支える重要な要素であり、こうした設備が広がることで、より多くの人が快適に生活できる社会が実現する。
渡部さんの挑戦は、単なる医学研究にとどまらず、障碍者がより自由に生きられる社会を作るための一歩でもある。
