高次脳機能障がいとは？
高次脳機能障がいは、事故や病気による脳損傷が原因で、記憶・注意・遂行機能・感情のコントロールなどに影響を及ぼす障がいです。外見では分かりづらいため、周囲の理解を得るのが難しいこともあります。
💡 主な症状
✅ 記憶障がい → 新しいことを覚えにくい、過去の出来事を思い出せない
✅ 注意障がい → 一度に複数のことを処理するのが難しい
✅ 遂行機能障がい → 段取りを組むのが苦手、計画を立てるのが難しい
✅ 感情のコントロールが難しい → 怒りっぽくなる、衝動的な行動が増える
北島麻衣子さんの歩み
北島麻衣子さんは、26歳のときに脳動静脈奇形による脳出血を発症し、高次脳機能障がいの後遺症を抱えることになりました。
発症後は、ペンの持ち方が分からなくなったり、数字や簡単な漢字が理解できなくなったりと、日常生活に大きな影響が出ました。さらに、視界の右半分が見えないため、移動にも困難が伴いました。
しかし、北島さんは障がいと向き合いながら、**「かけはしプロジェクト」**を立ち上げ、同じ障がいを持つ人々の支援活動を開始しました。
北島さんとつながりたい方はこちら
https://kakehashi-project.com/contact/
情報を得ることの難しさ
高次脳機能障がいを発症したばかりの人は、スマホやPCの操作が難しく、ネット検索ができないため、同じ障がいを持つ人とつながる手段が限られてしまうことがあります。
📌 情報を得るまでの流れ
1️⃣ 初期段階 → スマホやPCの操作が難しく、検索やSNSの利用ができない
2️⃣ 回復が進むと → 少しずつネットに触れる機会が増え、情報を得られるようになる
3️⃣ つながりが生まれる → 他の当事者と交流し、助言を受けながら生活の工夫を学ぶ
北島さん自身も、発症直後は情報を得る手段がなく、孤立しがちでした。しかし、回復が進むにつれ、ネットを活用できるようになり、支援活動を始めることができました。
つながるための支援ネットワーク
高次脳機能障がいの人が情報を得るために、地域の支援ネットワークを活用するのも一つの方法です。
🔹 高次脳機能障害支援ネットワーク → 地域ごとの相談窓口や支援機関の情報を提供
📌 支援を受けるためのポイント
✅ 地域の相談窓口を活用する → 直接相談することで、ネット検索が難しい人でも情報を得られる
✅ 家族や支援者と協力する → 情報を整理してもらい、必要な支援を受ける
✅ オンラインコミュニティに参加する → SNSやフォーラムで同じ障がいを持つ人と交流する
高次脳機能障がいとヤングケアラーの課題
高次脳機能障がいの影響で、感情のコントロールが難しくなり、怒りが爆発しやすくなることがあります。これは、脳の損傷によって衝動的な反応が強くなるため、些細なことでも強い怒りが出てしまうことが原因です。
💡 怒りの制御が難しくなる理由
✅ 衝動的な反応 → 怒りを抑える機能が低下し、些細なことで感情が爆発する
✅ 自己認識の変化 → 自分の行動を客観的に見るのが難しくなるため、怒りの理由を整理できない
✅ ストレス耐性の低下 → 環境の変化や予期しない出来事に対して過剰に反応してしまう
こうした状況では、家族が怒りの矛先を受け止める役割を担うことが多く、特に子供が「クッション材」として親の感情を受け止めるケースが増えます。
📌 ヤングケアラーの負担
- 親の介護や感情のケアを担う → 学校や仕事よりも家庭の負担が優先される
- 精神的なストレス → 怒りの爆発に対応することで、子供自身の心の負担が大きくなる
- 社会的な理解の不足 → 「親の世話をするのは当然」と思われがちで、支援を受けにくい
社会の理解を広げるために
北島さんは、自身の経験をもとに**「闘病記」を出版**し、障がいの認知を広げる活動を行っています。彼女の挑戦は、同じ障がいを持つ人々にとっても励みになるものですね。
