コルネリア・デ・ランゲ症候群の特徴と介護の難しさ
コルネリア・デ・ランゲ症候群は、5番染色体の遺伝子異常によって引き起こされる希少疾患です。多毛症や手足の欠損、奇形、難聴、腸が弱い、顔が似ているなどの特徴があり、日常生活に大きな影響を及ぼします。そのため、専門的な知識と多くの時間を要する介護が必要です。
将貴さんは重度知的障害もあり、腸回転異常症の手術もして乗り越えてきました。
将貴さんの痛みとパニック、そして受け入れ病院が限られる現状
将貴さんは3年前、痛風や逆流性食道炎の激しい痛みでパニック状態に陥り、家族だけでの対応が難しくなり警察に助けを求める事態となりました。最初は精神疾患と誤診されることもあり、適切な治療にたどり着くまで多くの困難がありました。
また、落ち着いて治療を受けられないため、病院側から受け入れを断られるケースも多く、専門的な医療機関の必要性が高まっています。
弥生さんの介護の日常と安全対策
弥生さんは仕事を辞め、将貴さんの介護に専念しています。将貴さんの体重は大幅に減少し、誤嚥性肺炎も繰り返す中、弥生さんは日々懸命に支え続けています。家の中では冷蔵庫(生肉を食べてしまう)や炊飯器に触れないよう工夫し、頭を打つ危険を避けるため、ガラスの内側をアクリルに変えるなど安全対策も行われています。
ミシン刺繍がもたらす家族の笑顔
厳しい介護生活の中で、弥生さんはミシン刺繍という趣味に出会い、ユニークな刺繍作品で周囲の人々を笑顔にしています。この笑顔が家族の支えとなり、お父さんも温かく見守っています。
施設利用の選択と家族の決意
もしもの時のために15年以上にわたり施設の予約を続け、2度の入所機会もありましたが、弥生さんは「施設に入れば確かに生活は楽になるが、私は心から楽しめない」と感じ、体力の続く限り自宅で一緒にいたいと思っています。今年で60歳を迎えられた弥生さんの強い覚悟が感じられます。
まとめ:希少疾患と向き合う家族の絆と社会の理解
コルネリア・デ・ランゲ症候群の介護は非常に難しく、弥生さん一家は日々多くの挑戦を乗り越えています。こうした家族の努力を知り、理解と支援の輪が広がることが社会全体の課題です。介護や支援を必要とする家族が孤立しない環境づくりが求められています。