“普通の家族”が暮らせるために──医療的ケア児と地域の未来

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バクタール症候群とともに生まれた巧輝くん

折本巧輝(おりもと こうき)くんは、複数の障がいや奇形が合併して現れる「バクタール症候群」とともに生まれました。
主な症状には以下のようなものがあります。

  • 背骨の湾曲

  • 耳の欠損

  • 右手親指の欠損

  • 食道と胃が繋がっていない

  • 肛門の位置のずれ

原因も治療法もない病気。

妊娠中に破水したとき、母・弥子さんは「お子さんには胃がないかもしれない」と告げられる。

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「胃がないかも」と言われた破水の時──母・弥子さんの心「無」

看護師として働いていた弥子さん。
「胃がないかもしれない」「背骨が曲がって、あれもない、これもない」と周囲の会話が聞こえ、ただ無になって聞いていた。

それでもそばで寄り添ってくれた助産師さんの「泣いてもいいんだよ」という言葉に励まされる。

「ただ“無”になって聞くしかなかった」──この表現は、同じく重い障害と向き合う家庭の声にも見られます。
たとえば18トリソミーのお子さんを持つ真輔さんも、診断を最初聞いた時「無だった」と語っていました。
👉 18トリソミーの息子と生きる私たち──“普通の暮らし”を続ける根本家の日常

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「連れて帰ってこられたのは、お母さんが看護師だったから」

巧輝くんは、医療機器と共に家に帰ってきました。
命をつなぐための医療的ケアが日常となっています。

弥子さんはご自身のお子さんからこう言われたそうです。

「お母さんが看護師だったから、連れて帰ってこられたんでしょ。普通の人だったら無理だったでしょ」

きょうだい児のケアも特に重要だったと弥子さんは語っています。

巧輝くんと共に過ごしていく中でお姉ちゃんも「巧輝も普通だね」と言うようになり「良かった」と思うようになったそうです。

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「家族が壊れるくらいなら」──1年で施設を作る決意

弥子さんに子供が4人います。
巧輝くんのケアにつきっきりになることは、家族全体のバランスを崩しかねない──。

看護師時代に「家族の生活スタイルを崩さない退院支援」をしてきた経験から、弥子さんは判断します。

「この子を家で一人で見るのは無理。だったら、施設を作るしかない」

出産からわずか1年で、医療的ケア児のための通所施設「ふたば」を設立。


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まとめ:支え合える社会の大切さ

折本弥子さんの行動は、必要に迫られ、選択肢がなかったからこそ、前に進んだのです。

医療的ケア児を取り巻く環境には、まだまだ課題が山積しています。
でも、同じ立場にいる家族が声を上げ、制度や地域を変えていけることを、弥子さんの取り組みは示しています。

折本弥子さんの作った施設「児童発達支援・放課後等デイサービス ふたば」は千葉県にあります。
医療的ケア児の家族にとって、新しい選択肢のひとつとなっています。

ふたばの特徴 - 【ふたば】袖ケ浦市の重症心身障がい児・医療的ケア児対応型の児童発達支援・放課後等デイサービス
ABOUT ふたばの特徴 経営理念 philosophy すべての子どもに成長の喜びを、すべての親にあたりまえの自由を私たちは、重症心身障がい児および医療的ケア児とその家族が、安心して暮らせる社会の実現を目指します。 経